光と風に 誘われて
雨の降らない 紫陽花寺へ


街では見下ろす此花を
見上げる自分は 小さき生き物

花陰の蜘蛛 花陰の私

木漏れ日を浴び 透ける花びら
木の葉の合間の 空のよう

ゆらゆら揺れる 木の葉たち
ゆらゆら揺れる 日の光

視界がゆれて 歩みをとめる


しんとした空気に響くのは
孔雀の声と 父子の声

目を閉じれば こだまする


強い日差し 冷たい風
それを遮る 黒い衣の私


程よい疲労は 痛みを逃し
眩暈は 木漏れ日のせいにしよう




〜 Episode 〜